たかポタ vol.7 〜坂を味わい、人と笑う。高根沢の風に包まれて〜

高根沢町観光協会が主催する人気イベント「たかポタ」。
その第7回、通称“たかポタ vol.7”に参加してきました。

今回もエントリーしたコースは「坂ポタ」。
約80kmのコースに、高根沢の美しい里山と、ゆるやかな坂、そして地元グルメがぎゅっと詰まったサイクリングイベントです。
速く走ることよりも、“みんなで走る”ことを楽しむのがこのイベントの真骨頂。

■ 朝の静けさと、準備の時間

受付開始は朝7時半。
6時に家を出て、朝もやがまだ残る道を北へと進みます。
この時間帯の空気はひんやりしていて、吸い込むたびに体がシャキッと目を覚ます。

今回は奥さんも楽しみにしていたので、工具はフルセット。
サイクルスタンドに予備ホイール、各種消耗品まで完備。
まるで小さなチームカーのような荷物量です。

屋根に積んだサイクルキャリアが本当に便利で、
これを導入してからは準備が格段に楽になった。
“最初から付けておけば良かった”と、毎回思うほど。

7時半前には会場の「元気あっぷむら」に到着。
すでに駐車場にはカラフルなジャージが並び、あちこちで自転車談義に花が咲いている。
この独特の“出走前の空気”が、たまらなく好きです。

■ 再会の朝、そしてグループ結成

会場でたなさんと再会し、談笑していると、去年同じグループで走ったはじーさんを発見。
今年はなんとガイドライダーとして参加しているとのこと。
担当は第2グループ。
ならばそこを狙うしかない。

ちょうど茨城から来たかずさんも合流。
声を掛け合い、自然と第2グループが出来上がっていく。
イベントの始まりは、すでに“再会の場”でもある。

開会式が始まる。
毎年恒例、“おにぎりで乾杯”。
去年は先に食べてしまい、「あれ?もう食べちゃったの?」と笑われた失敗を繰り返さぬよう、
今年はしっかりとおにぎりを掲げて参加。

スタッフの方々の声が飛び交い、会場全体が和やかな笑顔に包まれる。
この一体感こそ、たかポタの空気そのもの。
走る前からすでに「楽しい」が始まっている。

■ グループライドという“人の輪”

たかポタの最大の特徴は、10人前後のグループに前後でガイドライダーがつく形式。
先頭と最後尾にプロの目があるから、安心して走れる。
序盤の緊張も、すぐに笑いに変わる。

ブルベやレースのような“自分との戦い”ではなく、
たかポタは“みんなとの時間を共有する”イベント。
ペースも穏やかで、会話が弾む。
初参加でも、いつの間にか打ち解けている。

「今日もいい天気ですね」「あの坂、去年より優しめかも」
そんな他愛ない会話が、なぜか心に残る。

第2エイドの手前、長い直線。
「走りたい人はどうぞ前へ」とはじーさんの声。
和やかなムードで走る自転車列の写真を撮るために少し前に出る。
良い感じの写真も撮れてグループに戻ると…
「せっかくだから、このまま行っちゃいましょう!」と後方のガイドが一言。

気付けば、即アタック開始。

通勤用バイクでの挑戦は厳しかった。
クランク長は短く、ギア比も軽め。
それでも、40km/h台後半で必死にローテーション。
アイスマンさんの後ろにしがみつくように走り切り、終了した瞬間の達成感は想像以上だった。

「ゆるポタ」のはずが、しっかり心拍ゾーン5。
でも、笑っていれば全てが楽しい。
これが“たかポタマジック”だ。

■ スイーツタイムと地元の味

第2エイドではエクレアとお饅頭。
冷たい風の中で食べる甘いお菓子が、体の芯にしみる。
その優しい味に“地元の手作り”の力を感じる。

次の第3エイド・宝積寺駅では、丸いコロッケ。
外はカリッ、中はモチモチ。
去年のピザもよかったけれど、今年は断然コロッケ派。
店舗の場所を聞いたので、後日ライドがてら訪問予定。

■ チャンポンの幸福、そして坂の始まり

市街地を抜けると、いよいよ坂ポタ本番。
線路沿いの道を抜け、最初の坂を登る。
去年苦戦していた奥さんが、今年は笑顔で登っていく。
一年の成長がこうして見える瞬間は、少し感動的です。

そして第4エイドでは、名物・高根沢チャンポン。
「これ、最高ですね」と思わず声が出る。
胃袋も心も満たされて、再びペダルを踏む足に力が戻る。

■ 激坂撮影と、奥さんの快進撃

このあたりからアップダウンが増え、望遠レンズの出番。
坂の中腹でカメラを構え、仲間が上ってくる姿を狙う。
苦笑も俯いた姿も、全部が絵になる。
“苦しみながら楽しんでいる”その表情こそ、坂好きの証だ。

特に印象的だったのは“学校の坂”。
最大勾配20%超えの短くも強烈な区間。
去年は途中でふらついていた奥さんが、
今年は堂々と完登。
一年の積み重ねが形になる瞬間を見た。

第5エイドではアユの塩焼きが登場。
炭火の香ばしい匂いが漂い、まるでキャンプ気分。
ところがスタートで“試練”が宣告されていた。
「今日はアウター固定でね」

……冗談だと思ったら、本気。
ペダルを止めたら即転倒、勾配はきつく、路面はコケで滑る。
まるで天然の三本ローラー。
全神経を集中させてペダルを回し続け、なんとか完走。
「もう二度とやらない」と固く誓った。
奥さんは賢く押し歩き。正しい選択だ。

坂を越えると、空が広がる。
北関東らしい田園の風景が広がり、
車も少なく、鳥の声だけが響く。
この静けさがたまらない。
都会では絶対に味わえない時間。

第6エイドでは地元産のリンゴ。
冷えた果汁が喉を潤し、自然な甘みが体に染みる。
果物を普段食べない自分でも、これは別格。
笑顔で「美味しいですね」と言葉がこぼれる。

■ ゴール、そして“また来年”

最後の上りを越えると、遠くに見えてきた「元気あっぷむら」。
牧場の風と、グランピング施設のテント。
あっという間の80km。

普段なら2時間で走れる距離を、
今日はゆっくり、笑いながら、食べながら、仲間と共有した。
「速く走る」より「楽しく走る」。
その価値を改めて感じた一日だった。

ゴール後もガイドライダーさんや仲間たちと談笑。
「また来年も会いましょうね」と声を掛け合いながら、
車にバイクを積み込む。

夕方の光に包まれながら、心の中でそっとつぶやいた。

——「また来年、同じ風の中で。」

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コメント

    • カズ
    • 2025.10.17 12:49am

    今年もお世話になりました。
    あの烏山の激坂をスイスイとアウターで上っていく後ろ姿は何度見てもスゴイ!!
    ホント奥さんも1年間でメチャメチャ乗れるようになっていてビックリでした。
    また来年も遊んでくださいませ🙇

    • こちらこそお世話になりました!
      自分の力で走り切ってこその自転車だとスパルタで走らせているので(笑)
      また来年も是非よろしくお願いします😁

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