これから寒さが厳しくなり、屋外でのトレーニングが少しずつ億劫になる季節がやってきます。
もちろん、冬でも外を走ることはできますし、寒い中で走るのも自転車の楽しみ方のひとつです。
ただ、日が短くなり、朝晩の冷え込みが厳しくなってくると、どうしても室内でのトレーニングが増えてくるのではないでしょうか。
そんな冬場のトレーニングで活躍するのがZwiftです。
天候や気温、日没時間を気にせず走れるのは大きなメリットですが、一方で室内で何時間もローラーを回し続けるのは、なかなか大変なことでもあります。
自分もよく「どうすればそんなに長時間Zwiftを続けられるんですか?」と聞かれることがあります。
確かに、屋外なら景色も変わりますし、風を感じながら走る楽しさがあります。
しかし室内では、基本的に同じ場所でペダルを回し続けることになります。
何もない部屋で、ただひたすらローラーを回し続けろと言われたら、自分だって正直やりたくありません。
とはいえ、普段から長時間Zwiftをしている自分としては、特別な精神力や忍耐力で乗り切っているつもりもありません。
むしろ、できるだけ頑張らずに続けられるよう、環境を整えることを意識しています。
長時間走るために我慢するのではなく、長時間走っても苦痛になりにくい環境を作る。
今回は、冬場のトレーニングに向けて、自分が普段から実践している長時間Zwiftの工夫を紹介してみたいと思います。
目次
まずは身体のストレスを減らす

長時間Zwiftをするうえで、最初に考えたいのが身体へのストレスです。
屋外と室内で大きく違うのは、何といっても走行風の有無でしょう。
屋外では走っているだけで自然と風が当たりますが、室内では自分で風を作らなければなりません。
特にある程度の強度で走っていると、室温がそれほど高くなくても身体はかなりの熱を発生させます。
冬だからといって油断はできません。
自分の場合は、エアコンを除湿運転にして、さらに扇風機を3台使っています。
扇風機は単純に台数を増やすだけではなく、なるべく全身に風が当たるように配置を工夫しています。
顔だけ涼しくても、背中や脚に熱がこもってしまえば、長時間走るうえでは不快感につながります。
また、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるため、除湿によって室内環境を整えることも意識しています。
もちろん、冬場は外気が乾燥していることも多いので、室内の温度や湿度に合わせて調整する必要があります。
大切なのは、暑さや蒸れを我慢しながら走らないことです。
最初の30分なら多少暑くても我慢できるかもしれません。しかし、それが2時間、3時間と続けば、少しずつ身体への負担が積み重なっていきます。
長時間Zwiftでは、こうした小さな不快感をできるだけ減らしておくことが重要だと思っています。
同じ姿勢を続けないためにTTバーを使う

もうひとつ、身体への負担を減らすために使っているのがTTバーです。
といっても、エアロポジションで速く走るために取り付けているわけではありません。
目的は、長時間同じ姿勢を続けないことです。
屋外では、コーナーや信号、登り坂や下り坂など、さまざまな場面で自然と身体の使い方が変わります。
ところがローラーでは、基本的に自転車が固定されているため、どうしても同じ姿勢が続きがちです。
最初は何ともなくても、時間が経つにつれて手や肩、首、お尻などに負担が集中してきます。
そこでTTバーを取り付け、ブラケットやハンドル上部、TTバーなど、複数のポジションを使い分けるようにしています。
少し姿勢を変えるだけでも、特定の場所にかかる負担を分散できます。
特に長時間走る場合は、こうした小さな変化が意外と大切です。
もちろん、TTバーがなければ長時間走れないというわけではありません。ハンドルの持ち方を変えたり、時々上体を起こしたりするだけでも違いはあると思います。
要するに、何時間も同じ姿勢で我慢し続けないことが大切なのだと思います。
動画を見るなら映画よりもアニメや短いドラマがおすすめ

ここからは、身体的な負担というよりも、精神的な負担を減らすための工夫です。
長時間Zwiftをするうえで、自分がかなり重要だと思っているのが動画の選び方です。
自分の場合、映画よりも20〜30分程度のアニメやドラマを見ることが多いです。
これには、ちゃんと理由があります。
映画は1本が長すぎるんです。
例えば2時間の映画を見ようと思うと、途中で集中力が切れてしまったり、話の展開が落ち着いたところで退屈してしまったりすることがあります。
もちろん、映画そのものが面白くないという話ではありません。
ただ、ローラーを回しながら見るには、2時間という区切りが少し長すぎると感じています。
その点、アニメなら1話が約24分。
この短さが絶妙なんです。
「とりあえず、この1話が終わるまで走ろう」
そう思って走り始めると、20分少々でひとつの区切りがやってきます。
そして、できればストーリーが連続している作品がおすすめです。
なぜかというと、次の展開が気になるから。
1話が終わる頃になると、
「ここで終わるのか。じゃあ、もう1話だけ見ようかな」
となるわけです。
そして次の話が終わる頃には、
「せっかくだから、あと1話くらい……」
そんなことを繰り返しているうちに、いつの間にか結構な時間が経っています。
「あと30分頑張ろう」と思うのと、「あと1話だけ見よう」と思うのでは、心理的な負担が全然違います。
これが自分にとって、長時間Zwiftを続けるための一番大きなコツかもしれません。
ちなみに、一般的なテレビアニメは1話約24分で、1クールが12〜13話程度。
これを時間に換算すると、12話で4時間48分、13話なら5時間12分になります。
そう、アニメを1クール見終わると、ちょうどZwiftで5時間走ったくらいになるんです。
もちろん、最初から1クール全部を見るつもりで走り始める必要はありません。
面白いアニメを見ながら「あと1話だけ」を繰り返しているうちに、結果的に1クール近く見ていた、というくらいが理想です。
5時間のトレーニングと考えると大変そうですが、アニメ1クールと考えると、何となくできそうな気がしませんか?
もちろん、無理に最後まで見る必要はありません。
疲れたら途中でやめればいいだけです。
大切なのは、最初から大きな目標を設定しすぎないことだと思います。
動画を快適に見るための環境も大切
動画を見るといっても、ただ再生しておけばいいというわけではありません。
ローラーにはそれなりの駆動音がありますし、扇風機を3台も回していれば、風切り音も結構なものです。
そんな環境で普通のスピーカーから動画の音を流しても、セリフが聞き取りにくくなってしまいます。
特にアニメやドラマでは、会話が聞き取れないと話の内容が分からなくなってしまいます。
そこで自分はワイヤレスイヤホンを使っています。
周囲の騒音に邪魔されずに動画を楽しめるので、これだけでも快適さは大きく変わります。
ただし、長時間の使用になるので、音量を上げすぎないことや、耳への負担には注意したいところです。
また、ハンドルにはスマートフォンをマウントしています。
手元でスマートフォンを確認したり操作したりできるので、ちょっとした操作のためにローラーから降りる必要がありません。
こうした細かな部分も、長時間になるほど効いてくるものです。
何かをするたびにローラーから降りたり、手を伸ばしたりするのは、意外と面倒なもの。
できるだけ必要なものを手の届く範囲に置いておくことで、余計なストレスを減らすようにしています。
ロボペーサーを活用して、適度な集中力を維持する
長時間Zwiftをするとき、自分がよく利用しているのがロボペーサーです。
ロボペーサーは、Zwiftの世界を一定のペースで走り続けているペーサーで、自分の脚力に合ったグループを選んで一緒に走ることができます。
長時間走るうえで便利なのは、ペースをあまり意識しなくても、ある程度安定した強度で走り続けられることです。
ひとりで走っていると、知らず知らずのうちにペースが上がってしまったり、逆に気が緩んで出力が落ちてしまったりすることがあります。
その点、ロボペーサーについていけば、集団のペースに合わせて走ることができるので、余計なことを考える必要がありません。
ただし、完全に何も考えずに走れるわけではありません。
コースの勾配が変われば必要な出力も変わりますし、油断していると集団から離れてしまうこともあります。
動画に夢中になりすぎて、気がついたらロボペーサーが遠くに行ってしまっていた、なんてことも。
でも、実はこのくらいがちょうどいいんです。
ずっとZwiftの画面だけを見続けるのも退屈ですし、反対に動画だけに集中してしまうのも少し違います。
時々Zwiftの画面を確認して、集団から離れないようにペースを調整する。
動画を楽しみながらも、走ることへの集中力を完全には途切れさせない。
ロボペーサーには、そんな役割もあると思っています。
また、その日の体調や走りたい時間に合わせて、ペーサーの強度を選べるのも便利なところです。
長時間走るのであれば、最初から無理な強度を選ぶ必要はありません。
余裕を持ってついていけるグループを選んで、あとは淡々と走るだけ。
自分にとってロボペーサーは、長時間Zwiftを気楽に続けるための、ありがたい存在です。
補給は手の届くところに置いておく

長時間走るとなれば、当然ながら補給も必要になります。
ただ、自分の場合は補給のタイミングを細かく決めたり、毎回カロリーを計算したりしているわけではありません。
基本的には、手の届くところに補給食を置いておいて、なんとなく食べています。
あまり難しく考えないようにしている、というのが正直なところです。
特に好んで食べるのが、硬めのグミや煎餅など、しっかり噛む必要があるものです。
長時間ローラーを回していると、どれだけ快適な環境を整えていても、身体には少なからずストレスがかかります。
そんなとき、何かを噛んで食べるという行為が、自分にとってはちょっとした気分転換になります。
単純に甘いものや塩気のあるものを食べる楽しさもありますし、ずっとペダルを回しているだけの単調な時間に、少し変化を加えることもできます。
咀嚼にはストレスを和らげる可能性もあると言われていますが、自分の場合は理屈よりも、実際に食べていて気分転換になるという感覚を大切にしています。
補給食というと、エネルギージェルやスポーツドリンクなどを思い浮かべる人も多いと思います。
もちろん、それらは効率よくエネルギーを補給できる便利なものです。
ただ、長時間のローラーでは、補給そのものを小さな楽しみにしてしまうのも悪くないと思っています。
とはいえ、5時間近く走るとなれば、糖質や水分、電解質の不足には十分な注意が必要です。
硬いグミや煎餅だけで必要な補給がまかなえるわけではありませんし、空腹や喉の渇きを感じる前から、ある程度の補給を意識することも大切です。
細かな計算に縛られすぎず、でも必要な補給は怠らない。
そのくらいの気楽さが、自分には合っていると思います。
自宅だからこその気楽さもある
屋外で長時間走る場合と、Zwiftで長時間走る場合には、大きな違いがあります。
それは、疲れたらその場でやめられることです。
屋外で5時間走る場合、途中で疲れたからといって、その場で終了するわけにはいきません。
基本的には自宅まで帰ってこなければなりませんし、補給が足りなくなったり、思った以上に脚を使ってしまったりすると、帰り道が大変なことになります。
その点、Zwiftなら自宅です。
食べ物や飲み物が足りなくなれば追加できますし、疲れたらその場で終了できます。
もちろん、自宅だからといって脱水やハンガーノックを起こしても大丈夫というわけではありません。
体調を崩してから対処するのではなく、そうなる前に補給や休憩を取ることが大前提です。
それでも、帰宅するための体力を残しておく必要がないというのは、精神的にかなり気楽です。
例えば、今日は長めに走ってみようと思ってZwiftを始めたとしても、途中で疲れたらやめればいい。
2時間で終わってもいいし、3時間走れたらそれでも十分です。
調子が良くて、動画の続きも気になるなら、もう少し走ってみればいい。
最初から5時間走ると決めていなければ、途中でやめたとしても失敗にはなりません。
この気楽さこそが、結果的に長時間走ることにつながっているような気がします。
おまけ:快適さを求めて、こんな機材も使っています
ここまで紹介した工夫は、比較的手軽に取り入れられるものが中心ですが、自分の場合は長年Zwiftを続けるうちに、少しずつ機材も増えてきました。
どれも長時間Zwiftに必須というわけではありませんし、最初から揃えていたわけでもありません。
ただ、せっかくなので、現在使っている機材を少しだけ紹介しておきます。
40インチの大画面モニター

Zwiftは40インチのメインモニターに表示しています。
大画面のメリットは、何といっても没入感です。
周囲のライダーや景色が大きく映ることで、Zwiftの世界を走っている感覚が強くなります。
特に集団で走っているときなどは、画面が大きいことで周囲の動きも感じ取りやすく、単純に走っていて楽しくなります。
さらに23インチのサブモニターにはアニメやドラマを表示しています。
Zwiftの世界を楽しみながら、動画も見る。
なかなか贅沢な環境になっています。
もちろん、40インチのモニターを設置するにはそれなりのスペースも必要ですし、誰にでもおすすめできる構成ではありません。
普通のPCモニターやテレビでもZwiftは十分楽しめますし、動画もタブレットなどを活用すれば問題ありません。
あくまでも、自分が快適さを求めていった結果、こうなったというだけです。
ELITE RIZER

もうひとつ導入しているのが、ELITEのRIZERです。
これはZwiftの勾配に合わせて、自転車のフロント部分を上下させる機材です。
登り坂ではフロントが上がり、下り坂では下がるため、実際に坂道を走っているような車体の角度変化が生まれます。
通常のローラーでは、Zwiftのコースにどれだけアップダウンがあっても、基本的に自転車の姿勢は変わりません。
しかしRIZERを使うことで、コースの勾配に合わせて身体の角度も変化します。
長時間同じ姿勢を続けることによる負担を多少なりとも分散できますし、コースの変化を身体でも感じられるので、没入感も高まります。
とはいえ、これも長時間走るために必要な機材というわけではありません。
あると楽しいし、少し快適になる。
そんな位置付けです。
Zwift Cog

スマートトレーナーにはZwift Cogを導入しています。
個人的に気に入っているのは、バーチャルシフティングによって、実際にチェーンを移動させずに変速できることです。
通常の変速では、どうしてもチェーンが隣のギアへ移動するときに多少のショックが発生します。
しかしZwift Cogなら、チェーンの位置はそのままで、スマートトレーナーの負荷を変化させることで仮想的に変速できます。
そのため、変速時のショックがなく、脚への負担が少なく感じられます。
さらに、機械的な変速音が発生しないのもメリットです。長時間走っていると、こうした小さな快適さが意外とありがたく感じます。
ちなみに、自分が使っているスマートトレーナーはELITEのJUSTOです。
ELITE JUSTO向けの専用後付けキットは販売されていませんが、自分の場合は他社用のZwift Cogを分解し、内部のギアを交換することで使用できるようにしました。
実際には19Tのギアとスペーサーを組み合わせて調整し、800W程度まで試して問題なく動作しています。
ただし、これはメーカーが保証する取り付け方法ではなく、あくまでも自己責任で行った改造です。
もちろん、Zwift Cogがなくても長時間Zwiftは楽しめます。
ただ、変速ショックや騒音といった小さなストレスを減らせるので、自分にとっては導入してよかった機材のひとつです。
まとめ:長時間走るために頑張らない
ここまで、自分が長時間Zwiftを続けるために実践している工夫を紹介してきました。
振り返ってみると、特別なトレーニング方法や精神論のようなものは、ほとんどありません。
エアコンと扇風機で暑さを和らげる。
TTバーを使って、同じ姿勢が続かないようにする。
動画を快適に視聴できる環境を整える。
- 20〜30分程度のアニメやドラマを見ながら、少しずつ走行時間を延ばしていく。
- ロボペーサーを使って、適度に集中力を維持する。
- 手元に補給食を置いて、あまり難しく考えずに楽しむ。
どれも、長時間走るために我慢するというより、長時間走っても苦痛になりにくい環境を作るための工夫です。
もちろん、人によって快適だと感じる環境は違うと思います。
音楽を聴く方がいい人もいれば、動画よりZwiftの画面に集中したい人もいるでしょう。
高価な機材を揃える必要もありません。
まずは、自分が何をストレスに感じるのかを考えて、それをひとつずつ減らしていくだけでも、長時間のローラーはずいぶん楽になると思います。
そして、何より大切なのは、最初から長時間走ることを目標にしすぎないことです。
今日は1時間でもいいし、2時間でもいい。
調子が良ければ、もう少し走ってみればいい。
「あと30分頑張ろう」ではなく、「あと1話だけ見よう」。
そんな小さな目標を繰り返しているうちに、気がつけば何時間も走っていた。
自分にとっては、それくらいの気楽さがちょうどいいんです。
これから本格的な冬を迎え、Zwiftを利用する機会も増えてくると思います。
長時間の室内トレーニングが苦手という方も、まずは自分なりに快適な環境を作るところから始めてみてはいかがでしょうか。
長時間Zwiftを続けるコツは、長時間走ろうと頑張りすぎないこと。
結局のところ、自分にとってはこれが一番大切なことなのだと思います。
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