2年目となるAJ宇都宮の白河地区開催。
去年は手探りでのスタートだったが、今年は少しだけ地に足がついてきた感覚がある。
それでも、コースに対する責任の重さはむしろ増しているように感じる。
普段の試走は、一人でサクッと走って終わらせることが多い。
自分のペースで、自分の判断で、気になるポイントを潰していく。
効率重視で、ある意味“作業”としての側面も強い。
ただ今回は違う。
AJ宇都宮としては初となる夫婦での試走。
BRMでもパーマネントでも、自分がルートを作る際の基準の一つに「自分の家族を安心して走らせられるか」という軸がある。
距離が200kmある以上、完全な安全は存在しない。それでも、危険を減らし、無理なく走れるルートにすることはできるはずだと考えている。
その考えが実際に成立しているのか。
ある意味、それを試される一日でもあった。
似たような構成を持つ那珂湊コースと比較しながら、実際に走って感じたことを書いていく。
※注意…書いてる人は那珂湊200kmが嫌いだという事が前提です。
目次
~Start
普段なら15分前に出れば間に合う距離。
ただ今回は奥さんと一緒ということもあり、余計な脚を使わせないように30分前に出発した。
スタートまでは基本的に下り基調。
無理に踏まずとも自然に進む、身体に優しい導入区間だ。
途中のコンビニで補給食を少し買いながら、余裕を持ってスタート地点へ。
こういう“余裕”があるだけで、その後のライドの安定感は大きく変わる。
準備をしていると、空からパラパラとみぞれが落ちてきた。
少し身構えたが、雨雲レーダーを見ると一気に抜けるだけの雲。
これなら問題ないと判断して、そのままスタート。
Start~PC1

多少のみぞれに打たれながら出発。
最初の数kmは白河の市街地を通過する。
信号はそれなりにあるが、都心部と比べればむしろ穏やか。
適度にペースを抑えられるので、ウォーミングアップとしては悪くない。
県道でショートカットすることも可能だが、交通量を考えれば町中を抜けた方が安全。
ここは設計上も迷いのない選択。
市街地を抜けると白河石川線へ。
見慣れた道ではあるが、アスファルトの荒れが意外と目立つ。
路肩走行時は特に注意が必要な区間だ。
この日は祝日で大型車が少なく、結果的にかなり走りやすかった。
石川周辺は工事も終わっていて、以前より格段に快適。
曲がり角も少なく、ルートミスのリスクもほぼない。
この“シンプルさ”は長距離では大きな安心材料になる。
——少なくとも、那珂湊のように無駄に曲げられて、神経だけ削られるような構成ではない。
あちらは正直、走りやすさという観点では評価できない。

石川駅手前のセブンイレブンで小休憩。
ここは実質的に前半の最重要補給ポイント。
ここから先、約60kmはまともな補給が難しい。
この時点でどれだけ準備できるかが、そのまま後半の余裕に直結する。
そう思っていると、奥さんが戻ってきた。
手には沢山のおにぎり。
……と思った次の瞬間、それをそのまま自分のリュックに詰め込み始める。
「それ、俺が背負うのか」と思いつつも、補給は正義。
結果的に、なかなかの重量を背負って進むことになった。
石川を出て母畑へ。
このコース唯一と言っていい登り区間。
とはいえ激坂はなく、信号も交通量も少ない。
自分のペースで淡々と登れる、非常に走りやすい登りだ。
無理のない強度で進めば確実に越えられる。
実際、奥さんでもオンタイムで問題なくクリアできた。
初心者でも達成感を得られる絶妙なバランス。
この区間があることで、コース全体にしっかりとしたメリハリが生まれる。
平田村を抜ける頃には下り基調へ。
景色に目を向ける余裕も出てくる。
千本桜のタイミングには少し早かったが、それでも十分に気持ちの良い区間。
そのまま流れるようにPC1へ到着。
PC1~PC2

大釜で写真を撮り、リュックからおにぎりを取り出して補給。
さっきの重量が、ここでしっかりと意味を持つ。
単線の線路は静かで、時間の流れがゆっくりに感じる。
こういう“余白”があるのは、このコースの良さだと思う。
PC2までの区間はほぼ下り。
自然とスピードが出るが、路面や踏切など注意点も多い。
そのため35km/h程度を目安に抑えるのが無難。
速さよりも安定を優先する区間だ。
途中の夏井川溪谷は、このコースのハイライトの一つ。
時間に余裕があれば、ぜひ立ち止まってほしい。
PC2~PC3

フォトチェックの道の駅。
正直に言うと、食事の満足度はそこまで高くない。
混雑と待ち時間を考えると、近隣の食堂を利用した方が満足度は高いと思う。
特に目の前にある「お食事酒処和」の海鮮はおすすめ。
魚介類がそんなに好きではない自分が食べても美味しいと思ったほど。
道の駅を抜けるとサイクリングロードへ入り、視界が一気に開ける。
太平洋。
何度見ても良い景色だが、奥さんにとっては自転車で辿り着いた初めての海。
その達成感は大きかったと思う。
一方で、自分の中には別の記憶もある。
東関東600kmの海沿い。
あれはもはや精神攻撃。
同じ太平洋でも、こうも印象が変わるのかと改めて思う。
出て来る感想は「暗闇で何も見えない」「生臭い」「ホテルに入っていくカップル飛散しろ」だけだった。
海沿いのサイクリングロードは、この時期は人も少なく快適。
ただし風が強ければ一気に難易度が上がる。
その後、豊間四倉線へ。
向かい風はあるが、直線基調で海沿いを走る気持ちの良い道。
塩屋崎灯台を過ぎると交通量は増えるが、それでも過度な危険は感じない。
——少なくとも、那珂湊や東関東で抜ける市街地のような“無秩序な交通”ではない。
あれは本当にストレスしかなかった。
PC3手前の短い登りは、余裕があればStravaのセグメントにもなっているので楽しめるポイント。
PC3~PC4

いわきマリンタワー周辺は補給環境が充実している。
ハンバーガー屋、レストラン、カフェなど、立ち寄りポイントとしても優秀。
海鮮に関しては個人的に四倉の方がお勧め。
PC3からの下りはスピードが出やすいので慎重に。
アクアマリン付近は撮影スポットとしてもおすすめ。
イオン周辺は交通量が多いが、那珂湊の市場付近と比較するとむしろ走りやすいレベル。
あちらの混雑は別次元だと思っている。
埠頭区間は道幅も広く走りやすい。
丁寧に走れば問題なく抜けられる。
その後、帰路の上り区間へ。
御斎所街道は整備が進み、以前よりかなり快適。
トンネルは多少気を使うが、全体としては走りやすい区間。
補給は少ないため、事前準備が重要。
PC4~Finish

道の駅ふるどのをオンタイムで通過できれば、完走はほぼ確定。
ここまで来れば、あとは丁寧に走るだけ。
古殿から石川までは下り基調。
疲労はあるが、気持ちよく進める。
石川で休憩しても時間的には余裕がある。
最後は行きと同じ道を戻る。
ゴール付近は路面が荒れているので注意しつつ、フラットのままフィニッシュ。
余計な登りもなく、自然に終われる。
この“終わり方の優しさ”も、このコースの特徴だと思う。
あとがき

「夏井川溪谷」という名前から、厳しい山岳コースを想像されるかもしれない。
しかし実際には、獲得標高は1,500m未満。
初心者から上級者まで楽しめる、バランスの良いコースだと思う。
ファストランなら8時間切りも現実的。
今回の夫婦試走でも、無理なく11時間で完走できた。
観光や補給を楽しみながらでも十分余裕がある。
それがこのコースの大きな強み。
4回走っても、また走りたいと思える。
そういうコースは多くない。
正直なところ、那珂湊200km、銚子400km、東関東600kmは、そのルートしか走れないならブルベをやめる程には嫌いだ。
それと比べると、このコースは圧倒的に“走る意味がある”。
独断と偏見ではあるけれど、少なくとも自分はそう感じている。
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